そんな君に一目惚れ
しばらく静かに流れる時間。
食器を動かす時のカチャカチャという音しか聞こえない。
会話なんて無に等しい。
普段先生とは勉強の時しか、話さないからかな。
「学校・・・」
不意に先生が食べていた手を止め、思い出したように言った。
「へ?」
「学校、どうだ?勉強ついていけてるか?」
「・・・あ、はい。先生のおかげで、だいぶ授業は分かります」
「ならよかった」
先生はホッとして、また食べ始める。
綺麗に食べるもんだから、私はついじーっと見入ってしまう。
「ん、どうした?」
「い、いえ・・・」
先生に気づかれ、私はさっと視線を逸らし、急いでスプーンを動かした。