そんな君に一目惚れ





でもその前に、


「春人、だろ?」




俺は理沙の唇に人差し指を押し当てた。



「は、春人…」


「よくできました」



俺は理沙の頬にキスをした。


それだけで理沙の顔はさらに真っ赤に染まる。


そして思い出したように、



「そ、そういえば、どうしてあそこに?!」


俺に問うた。


「ああ、それは・・・」



その質問に、俺は淡々と答える。



だが相手を知っているなんてことは一切喋らなかった。



今ここでの話題をあいつにしたくないと思ったからだ。


理沙はそれを黙って聞いていた。


「そうだったんですか・・・」


「そ」


すると理沙は布団で顔を半分隠すと、




「正直びっくりしました。せ・・・春人が来てくれるなんて思わなかったので」



恥ずかしそうにそう言った。





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