そんな君に一目惚れ
どうやら何度も電話をしたらしい。
「もしかしたらメールも・・・」
と言われ、「見ていい?」と聞くと理沙は頷き、俺は受信ボックスを開いた。
もちろん、さっきの着歴と同様に文字が並んでいた。
[今どこにいるの?]
[連絡ちょうだい]
など、開けばそんなメールばかり。
[もしかして横田さんと一緒なの?]
極めつけはこのメール。
(こりゃやばいな)
無断で連れ去った上にお見合いをぶちこわし。
理沙の親は相当怒っていることだろう。
でも唯一よかったって思うことは理沙を悲しませなかったこと。
呑気なもんだが、俺は結局理沙がいればそれでいいなんて甘い考えを持っていた。