そんな君に一目惚れ
お母さんの話だとこうだ。
私はこの家の一人娘。
男の子がいないため、高校を卒業したらこの会社を継がなければならない。
だけど相手がいないんじゃ、会社は継げない。
そこで、ちょうどご近所からお見合い話を持ってこられ、受けたんだそうだ。
だけどもし、理沙に相手がいるならその人と結婚してくれればいい。
だからもともと、このお見合い話はそんな乗り気では無かったということだった。
「そうだったんだ・・・」
「だからいるならいるって言ってくれれば、こんなことにはならなかったのに」
「でもそんなこと一言も・・・」
「言わなかった私たちにももちろん非はあるわ。だけど言わなかった理沙も悪い」