ヒーローズ
「よう、昨日は二人で昼からどこに行ったの?ん?」



朝からにやにや近づいてきた羽柴にため息。

そして、それを待ち構えてたように、クラスメイトがガヤガヤ集まって来る。

そうだ。今日1日学校終わらせなきゃ、市原さんとこには行けないんだった。



「別にどこも行ってねーよ」

「ウソ言っちゃいやーん。見たわよアタシ、ふたりで手繋いで帰るとこ」

「アタシも見たわよお」

「アテクシもぉー」

「……きもい、おまえら」



羽柴の悪ノリに同調する、おばか軍団。

たんでさえ暑苦しいんだからやめてほしい。しかも手とか繋いでないし。



「オマエらが期待してるようなのはなかったから」

「え?まじで?」

「残念ながらな」



なんか、それ以上にスゴイことにはなっちゃったけど。

なんとなく言っちゃいけない気がして黙っておいた。
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