ヒーローズ
それからは嵐のようだった。駆け降りてきた母親は、俺達が無傷なのか何度も確かめ、それから「ありがとうございます」と泣きながら頭をさげた。

なんだか急に照れ臭くなった俺は、「いや、なにも、たいしたことじゃないので」とお決まりの台詞しかいうことができない。



「東くん。あっぱれだったね」

「市原さん!……いやでも俺落ちたよ」

「赤ちゃんは助かったじゃない。初任務なんだから上出来よ」



笑う市原さんは、母親に何かを説得して、また俺のところに戻ってきた。



「口封じはしておかなきゃね。ヒーローは素を有名にしちゃ駄目だから。はい、これは報酬」



渡されたのは星を半分に切った形のピンバッジ。



「今回はただの人助けだからお金は出ないけど、これは会社からの報酬」



会社に所属しているヒーロー達にはランクがあるらしい。


ハーフスターが1番下っ端で、最高が8。

そのランクによって、受けられる仕事や与えられる報酬や待遇が違うということだ。


「ちなみに私は星4つ。今の手際よさなら、東くんには、きっとすぐに抜かされちゃうね」


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