【短編】チョコラブ
「そういえば、さっきから後ろから視線を感じんだけど」
「そうなの? 僕にはわからないけど」
そういいながら振り返ると、隠れるのが下手なのか隠れる気がないのかわからないけど、すぐに見つけられた…
「女子だな♪ きっと、圭介にチョコにきたにきたんだっ!!」
「僕じゃなくて、涼介でしょ?」
って、言ってると……
「あ、あの……!!」
と、声をかけられた。
「圭介先輩…も、もらってください!!」
そういって、差し出してきたのは、どう考えてもチョコレートが入っていそうな可愛い紙袋。
「えっ…? 僕にですか?」
「は、はい!! もらって、くれますか?」
目の前に立つ女の子は顔を真っ赤にしている。
「ありがとう。ありがたくもらておきますね。名前は何ていうんですか?」
「く…久美……です///」
そう言って、走って行ってしまった。