お見合い恋愛
『ちょっと、まだ寝てたの~?会社は~?』
なんだか上機嫌な母さんの声は、完徹した俺の脳をぐらぐらと揺さぶった。
「・・・ゆうべ徹夜だったんだよ・・・」
そう、ゆうべこの部屋に戻ったのは
日付が変わりもうすぐ太陽が昇ってくるのではないかという
午前4時半だ。
午前半休をとってはいたが、さすがに13時には出社したい。
俺は何で電話してきたのかわからない母さんの世間話を聞き流しながら
ベットから起き上がり、キッチンへと入った。
「で?何の用?」
戸棚からグラスを取り出し、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出して注ぐ。
冷たい水を一気に飲み干すと、ようやくガラガラした声が正常状態を取り戻した気がした。
『あら、まだ見てないのね?お見合い写真』
・・・・・・
「は!?」
一瞬、その単語が俺の耳を素通りしていった。