失ったもの。
生まれてから…
近藤 愛 コンドウ アイ
「私は生まれてよかった」
「私は幸せ」
そんなこと一回も思った
ことがない。
母親は5歳で私を捨て、
父親は6歳で私を置いて死んだ。
それから、
父の親に預けられた。
毎日、生きた心地がしなかった。
中学生になり、
どうしてもあの家にいたくなくて
どうしても一人暮らしがしたくて
お金ほしさに
悪いことを沢山やった。
もちろん友達なんて
できない。
入学したときはちらほらいたけど、
みんな私の素を知ったら
離れていった
私のやっていることを知ったら
離れていった。