空と雨


「もー、潤たち遅いよ!!」


「あはっ

ごめんね!!
先輩に会ったからちょっと話してきたの」


ゆいは心から思ってもなさそうな感じに元クラスメートに謝った。



「潤、」


「…?」


不意に後ろから話しかけられた潤はゆっくりと後ろを振り返る。



──ドクンッ


心臓が飛び出るかと
思うくらい
心臓が高鳴った。


「─久しぶり」


「菜、穂…」


「…そんなにびっくりしたの?」


「…ううん、

久しぶり、菜穂…」


潤は動揺を隠しながら
にっこりと笑みを浮かべた。



「愛ちゃんは元気?」


菜穂は高校時代のときのショートカットとは違って長い髪の毛を、耳にかけていた。
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