空と雨
あたしは小さく頷いて先をまた歩き始めた。
慶もそのあとを歩く。
──ガラッ
変わらない。
あの時のまま。
誰も使っている気配がしなかった。
机にはほこりがたまっていた。
潤は目をつむる。
空…、
お願いだから………
還ってきて──…
空と過ごした日々が少しずつあたしの中に戻ってくる。
「潤…?」
潤ははっとして目をあけた。
「潤、なんで泣いてんだ?」
え……?
潤はいつの間にか涙を流していた。
潤は急いで涙を拭いた。
「そんなに恋しいのか…?
俺じゃだめなのか…?」
…あたしのことを好きだったんだね──…