空と雨
そうゆいに背中を押されて席についた潤。
そういえば…
途中から走ってくる足音が
聞こえなくなった。
なのにあたしは
走り続けたんだ…。
そう流れにまかせて走った潤。
…あの先生に感謝しなくちゃ…
きっと先生が走って来なければ、あたしはずっと歩いたまんまだった。
でも…あの先生見たことない…。
二年生か三年生の担当の先生なのかな?
「じゅーんっ」
「え、なに?」
「なに?じゃないよ!
実験するんだから準備するよ?」
同じ班だった佐山 菜穂はショートカットで、クリッとした目が可愛い子。
菜穂はぼーっとする潤の肩を軽くたたいた。
「あ、わかった!」
潤はガタッと席を立った。