空と雨


ガタッと席を立ったときにカーディガンのポケットに入っていた白いケータイがガンッと音をたてて床に勢いよく落ちた。


「あ〜あ、」


潤は「まただよ…」とつぶやきながら、落ちたケータイを拾った。


「わ、潤のケータイボロボロじゃん」


菜穂が潤のケータイを見てプッと笑った。


「そー、
よく落とすんだよね…

…ってストラップがない!!」


潤の白いケータイについていたはずのうさぎのストラップがついていなかった。


「きっと落としたんだよ、どんまい、潤」


菜穂はポンと潤肩に手を置いた。


「あーあ…気にってたのになぁ…」


潤はそうこぼしながらケータイをポケットにしまい込んだ。


さっき走ってるときに落としたのかな?


あとで見に行かなきゃ。
< 20 / 40 >

この作品をシェア

pagetop