空と雨
ガタッと席を立ったときにカーディガンのポケットに入っていた白いケータイがガンッと音をたてて床に勢いよく落ちた。
「あ〜あ、」
潤は「まただよ…」とつぶやきながら、落ちたケータイを拾った。
「わ、潤のケータイボロボロじゃん」
菜穂が潤のケータイを見てプッと笑った。
「そー、
よく落とすんだよね…
…ってストラップがない!!」
潤の白いケータイについていたはずのうさぎのストラップがついていなかった。
「きっと落としたんだよ、どんまい、潤」
菜穂はポンと潤肩に手を置いた。
「あーあ…気にってたのになぁ…」
潤はそうこぼしながらケータイをポケットにしまい込んだ。
さっき走ってるときに落としたのかな?
あとで見に行かなきゃ。