空と雨


──…

ザーザー…


放課後、
外はシャレにならないくらい、昼間の天気から予想もつかないくらい、雨が降っていた。


「雨ー…」


あたしは傘を持っていない。

当然だ。


朝はテカテカに晴れていたのだから。


潤は昇降口に佇む。

ゆいは部活があるから、と部活に行ってしまった。


あたしは部活に入っていないから即帰宅。


「…止まないかなぁ」


潤は容赦なく降り続ける雨にそっと手を伸ばした。

手のひらに雨があたって冷たい。


徐々に雨は手のひらに水たまりをつくる。


潤はその水たまりを壊してぺっぺっと水を払った。


「傘、忘れたの…?」


「?」


潤は後ろを振り返る。


誰だろう…?


そこにはスーツ姿の男の人が立っていた。


…先生なのかな?
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