空と雨
「…わかりました」
どうせ家に帰っても、暇なことには変わりのないことだからあたしは手伝うことにした。
二人は昇降口からろうかに移動した。
潤もローファーから上履きに履き替えた。
「俺、柳瀬空先生」
「…自分で先生てつけるのおかしくないですか?」
「二年生の社会科担当ね」
…流された……
「お前は?」
「あ、あたし…わ!」
潤はなにかにつまづきこけた。
「ぷっ…お前バカだろ?」
空はつまづいて転んだ潤に手をさしのべた。
「だ、だって…」
「うわ!お前膝から血でてんじゃねーかよ!」
空がいうように潤の膝からスーッと一筋の血が流れていた。
「これくらい平気ですよ」
「そこからばい菌が入ったらどうするんだ。保健室に行くぞ」
空は柄にもなくばい菌、というと潤の手をつかんで保健室へと向かった。