空と雨


どしゃ降りの雨が降り続く中
潤は車をはしらせる。


「じゅーん!」


コンコン


横の窓がたたかれる音がした。
そっちを見るとオレンジ色の傘をさしたゆいがいた。

あたしは急いでロックを解除した。


「はー、寒かったあっ」


「ごめんね、

なんだか待たせちゃって」


「ううん、別に平気だよ」


あたしはゆいが車に乗り込むと車を再び走らせた。


「…潤、」


「なに?」


さっきまで明るかったゆいの声が少しだけ低くなった。


「……今日、だよね…」


「……うん」


車の中にはなんにも音楽がかかってなくて


雨が車に降ってくる音しかしなかった。


「…まだ好き…?」


「うん…」
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