三日月の下、君に恋した
「なんか、スパイじゃないかって噂なんですよね」
「はあ?」
菜生は吹きだしそうになった。ドラマや映画じゃあるまいし。
「だってだって、早瀬さんと噂された人たち、社内のこといろいろ聞かれたって、みんな言ってるらしいですよ」
「だからって、なんでスパイなのよ」
「だってほら、あの人、前はR社の営業で契約率トップだったって噂じゃないですか? そんな人がわざわざR社辞めてライバル会社の中途採用受けるなんて、どう考えてもヘンですよ。やっぱりうちの開発中の新製品のネタを探りに来たんじゃ……」
「なに言ってんの。この前は、うちが破格の条件で引き抜いたとか言ってなかった? あと、R社のネタを社長室に直接売り込みにきたとかいうのもあったよね。バカみたい。だいたい、あの人ほんとにR社にいたの?」
「……って、噂です」
「はあ?」
菜生は吹きだしそうになった。ドラマや映画じゃあるまいし。
「だってだって、早瀬さんと噂された人たち、社内のこといろいろ聞かれたって、みんな言ってるらしいですよ」
「だからって、なんでスパイなのよ」
「だってほら、あの人、前はR社の営業で契約率トップだったって噂じゃないですか? そんな人がわざわざR社辞めてライバル会社の中途採用受けるなんて、どう考えてもヘンですよ。やっぱりうちの開発中の新製品のネタを探りに来たんじゃ……」
「なに言ってんの。この前は、うちが破格の条件で引き抜いたとか言ってなかった? あと、R社のネタを社長室に直接売り込みにきたとかいうのもあったよね。バカみたい。だいたい、あの人ほんとにR社にいたの?」
「……って、噂です」