月の神―神話物語―
ある日、裕福な商人が、妾のためにわたしを買い求めた。


母はこれ以上ないくらい胸をはり、満足げな歌声でわたしを送り出した。


わたしは金の鳥かごに入れられ、贅沢にしつらえた部屋の窓辺に置かれた。


女主人はわたしを大切にした。


満ち足りた世話を受け、わたしの羽のつやは増し、声もふくよかになった。

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