月の神―神話物語―
するとフクロウは羽をひとふりし、男の姿に変わった。



なんという美しさ。



夜よりも深い色の黒衣をまとったその姿は、この世のものではなかった。

巣箱の中で子守り歌に聞いた天上の神々に違いない。


黒衣の神はゆっくりと鳥かごに近づいた。

そして鳥かごの扉を開き、わたしの体を両手でそっと包んだ。

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