月の神―神話物語―
「ピアという名か」


黒衣の神は陰うつに言った。


「だが、今日からはルレアーレだ。よいな」


わたしは言われた意味がわからず、また小首をかしげた。


「まあよい。次第に分かるだろう」


黒衣の神はわたしを服の内に隠すと、再び銀色のフクロウへと姿を変え、夜空に向かって飛び立った。

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