月の神―神話物語―
本当のわたしのなごりは、長い髪の毛の黄金色と声だけ。


なんてひどい。


わたしはうらみがましく黒衣の神をにらみつけた。


「その姿は気に入らぬか、ルレアーレ?」


わたしはキーキーと鳴いた。


「やれやれ、名も気に入らぬとみえる」


黒衣の神はさもおかしそうにくっくっと笑った。

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