月の神―神話物語―
音色の主は、日輪のごとき黄金の髪と夜明けの空の色した瞳の、風霊族の姫君でした。


「上手なものだな」


月の神が声をかけると、姫君は顔を上げました。


目の前にいるのが天上の神だと気づいた姫君は、緑の草の上にひれ伏しました。


黄金の髪に、アレイス樹の白い花びらがはらはらと舞い落ちました。


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