存在認定恋愛論



似ていて、当たり前…か

「妹が合格したら
 双子共々よろしくお願いします」


頭を下げた九条に
背後から説明会担当者の声が掛かる


九条と俺はそちらを向いた。


担当者は古典・漢文担当教師の
西澤 香代(ニシザワ カヨ)だった。

…眼鏡をかけ直しながら
俺に気がついて西澤先生は頭を下げる


そして、九条に封筒とプリントを
手渡していた


「九条さん、貴女に新入生代表の
 演説をお願いしたいの。」


…大きく出たものだ。

新入生代表は基本的に
成績優秀者がなるのが一般的だ


なら九条は頭がいいのか…
推薦だしな。
…なら妹は…



そんな事を考えているうちに
九条は西澤先生の
頼みを承諾したらしく、
プリントを受け取っていた。


「じゃあ、よろしくね」
「はい。頑張ります」


西澤先生が立ち去った。


「まぁ…面倒な事を引き受けたな」
「だって、頼られたら
 なんとかしてあげたいって
 思うじゃないですか」



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