存在認定恋愛論

・なぎさside




・なぎさside

家に帰って、
自分の部屋のベッドに横たわる。

…カサリとポケットの中の包みが
音を立てて存在を訴えた


あぁ…
宮本先生がくれたチョコレート。

どこかで見たような包みだと思う
でも、所詮はチョコレートだ
市販しているのを見たんだろうな


包みを開けてチョコレートを
口に入れる。

甘い…


やっぱり、どこかで
このチョコレートを食べたのかも

…ならそれはきっと


空白の1ヶ月の1日


私は入学1ヶ月前に
事故にあった…らしい。
よく覚えてはいない、私は
頭を強く打った為に
1ヶ月の記憶がぽっかり抜けている


それは…未だに戻らない


でも、時々懐かしく思うことがある


例えば、図書室。
例えば、タバコの香り。
例えば、手のぬくもり。


例えば、


「宮本…先生、」
「なぎさー?いるの?」

ビクッと身体を跳ねさせた。
あけばも帰ってきたらしい…

私は深呼吸を繰り返す



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