存在認定恋愛論

・なぎさside




・あげはside

片腕に乗せた
あげはへのプレゼントを抱え直す


先生は驚いた様子で私を見た

「なんだ、その包み」


訂正、先生が見ていたのは
私が腕に積み上げているプレゼント


私はプリントを先生に手渡しながら
“あげはさんへ”と書かれた
メッセージカードを見せる。


「人気者は辛いな、本当に」


先生はため息と
呆れを混じらせながら包みを
手に取りながら中身を透かせる。


クッキーが
袋の中で、カサカサと音がした


「ほら、貸せ。九条妹」
「……は」

先生が私の包みを腕から奪う


…唖然としている内に
私の腕の中から、大量の
プレゼントが消えていた。


「先生、返してください。」

あげはに渡さなければいけない


しかし、先生はお構い無く
しゃがんでプリントを拾い出す。


「手伝え。」
「……私が、ですか」


私に物事を頼む人は、あまりいない

それでこそ
あげはへプレゼントの受け渡しや
あげはに関連することぐらい。



< 4 / 25 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop