オールホワイト
君と思うこと
ホワイトデー当日。
俺はチョコをもらった人に、お返しを買っていなかった。
だって、皆義理チョコだし。
ひとつだけは、買っていた。
白海さんに…。
俺がもらった訳じゃないし、雪からもらう方が嬉しいだろう。
…でも。
それでいいのか?
俺は、それでいいのだろうか?
「白海さん、ちょっといい?」
雪の声が、どこからか聞こえる。
俺は声のする方へと向かった。
するとそこには、雪と白海さんが居た。
「白海さん、これ…お返し。」
「あ、ありがとう。」
雪が、白海さんに、お返しを渡している所だった。
このまま、見てるだけでいいのだろうか?
このまま…何も無かった事に…。
「白海さん!」
俺は、いつの間にか、二人の前に出ていた。
やっぱり、彼女に、正直に話そう。