オールホワイト
「白?」


雪は、驚いた顔をしていた。


このまま…雪が彼女にお返しを渡して、そのまま…なのが、彼女は何も知らなくて、俺も楽で…。


それで良かったのかも知れない。


「俺、白海さんに酷い事した…。ごめん!」


俺は彼女に頭を下げた。
顔を上げると、彼女は驚いた顔で、俺を見ていた。


「え?私…白さんに酷い事された覚え、ないけど…。」


彼女はキョトンとして、首を傾げた。


「実は、チョコを貰ったの、俺だったんだ。」


「えっ?」


彼女は少し驚いて、少し考えた様な顔をした。


「そういえばあの時…テンパッてて、ちゃんと顔を見てなかった気が…」


彼女は顔を真っ赤にしていた。


「で、俺…そのチョコを、雪に渡さないで、食べちゃったんだ。…それを、ずっと謝りたくて…。」


彼女の反応が怖くて、ずっと俯いていた。
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