オールホワイト
でも、彼女は、雪が好きだから…振られるのは分かってる。


「いえ、間違えた私が悪いんですから、気にしないで下さい。」


「ほんとに…ごめん。これ、お返し。」


チョコのお返しを、強引に彼女に渡して、その場を去った。


俺はそのまま、屋上に向かった。
屋上には誰もいなくて、フェンスに手をかけた。


「はあ…、キンチョーした…。」


告白なんて、したのはじめてだった。
そして、振られたのもはじめて。


…ちゃんと、振られた訳じゃないけど、振られたようなもんだ。


俺は、しばらく、屋上から景色を眺めていた。


「…失恋ってこんな辛かったんだな。」


今まで、彼女は何人かいたけど、こんなに辛かっただろうか。
今まで、こんなに好きになった人は、いるだろうか。
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