オールホワイト
屋上のドアが、ギィーッと、開く音がした。
屋上のドアはサビついていて、開いた時、すぐ分かる。


「白さん、やっぱりここにいたんだ。」


入ってきたのは、白海さんだった。


「雪さんに、振られちゃった。…分かってた事なんだけど。」


彼女は苦笑いして、言った。
俺は、どうゆう顔をしたらいいのか分からなくて、ただ、外を見ていた。


「ありがとう。」


彼女は俺にそう言った。


俺は、雪に送るチョコを食べたのに、どうして“ありがとう”なんて言えるんだろう。


「食べてもらったのが、白さんで良かった。」


彼女は一枚のメッセージカードを広げた。


俺が、チョコのお返しに付けたメッセージカードだ。


ただ、“チョコ、美味しかった。”と、書いただけのカード。


「怒らないの?」


「美味しかったなら、それでいいよ。」


…どうゆう事だろうか?


「気持ちが、凄く嬉しかったから…それでいい、です。」


彼女は頬を染めて、笑った。


「友達から、で…いいですか?」


彼女はそう言うと、俺はただ、頷いた。




-END-
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