オールホワイト
本当の事は、話すべき
そして、次の日。
職員室に読書感想文の用紙を提出したあと、廊下で白海さんとすれ違った。
彼女は大きな資料を持って歩いていた。
「白海さん、どうしたの。その荷物。」
「あ、私、国語係だから…。この資料を資料室に持っていかないといけないの。」
国語係?
…ああ、教科ごとの係りがあるんだっけ。
体育委員みたいなものか。
「重いだろ?持つよ。」
「え、でも…。」
「どうせヒマだし。」
そう言うと、彼女は笑った。
笑った顔が、一番可愛いな。
「そういえば、白さんはバレンタインのチョコ、たくさんもらった?」
え!
い、いきなり…バレンタインの話題?
「ど、どうかな?義理チョコばっかだけどね!」
あははー、と笑って誤魔化す。
「えっ、モテそうなのに!」
「モテねーって!モテるのは、雪の方!」
……あ、言っちゃった。
「やっぱ、雪くん…モテるんだ。」
そんな、凹まないでくれよ。
良心が痛む。
「じゃあ、誰からチョコをもらったかなんて、覚えてないのかな?」
「……。」
答えられなかった。
雪は、そうゆうのをちゃんと、覚えている奴だけど…ここで答えていいのだろうか。