オールホワイト
資料室に到着して、荷物を降ろす。


「白さん、ありがとう。助かった。」


彼女はそう言って、資料室を出ようとした。


「白海さん、てさ…」


「ん?」


「雪の事、好きなの?」


「え…。」


彼女は顔を真っ赤にした。
その反応で充分分かる。


「わ、私…分かりやすい?」


俺は、バレンタインの一件があったから分かるだけだけど、そう、ロコツに顔を赤くしたら、分かるかもな。


「てゆうか、なんとなく、そう思って。」


なんで聞いたんだろう、俺。
惨めになるだけなのに。


「でも、雪くん。バレンタインの時の話はまったくしなくて、私がサーッと逃げちゃったから、話振りずらいのかな…。それとも、無かった事にしたい、とか…。」


「白海さん…。」


胸がズキ、と痛んだ。


正直に話した方が、いいのかな。
< 8 / 15 >

この作品をシェア

pagetop