空夢
第1章
出逢い
あたしは声を押し殺して泣いた。
誰もいない保健室で。
床に座り込んで静かに──…。
どうしてだろう。
悲しくないのに、涙が止まらないのは…。
……あぁ…きっとあれだ…。
悔しいんだ。
悲しくなんかない。
悔しいから泣いているだけなんだ…。
そう自分に言い聞かせる。
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