空夢
会話
松野空が転校してきてから一週間。
毎日手紙が回ってくる。
今日も
『暇やー』
隣からそう書いた紙が回ってきた。
あたしは少し…いや、かなり呆れた。
……勉強しろ勉強。
そして、シャーペンで紙に
『勉強しな』
と書いて隣に渡した。
てゆーか、今数学だよ。
数学。
なんなら国語とかの時間に渡そうよ。
…いや、あんまり渡してほしくはないんだけどね。
うん。
そう思って黒板の字をノートに写しはじめた。
半分くらいまで写したところで、また紙が回ってきた。
何度も何度も渡さないでよ…。
そう思いながら折りたたまれた紙を開く。
『いやー。勉強嫌いやし』
……アホかこいつ…。
世界のほとんどくらいの人が勉強嫌いなんじゃないの?
めんどくさ…。
あたしはまたシャーペンで紙に
『なら、しなくてもいいんじゃない』
と書いて、隣に放り投げた。