空夢
バターン
その音と同時に、あたしが倒れた。
その時、掌と膝を思い切り打った。
「…いったー」
「大丈夫?」
「あ、うん」
差し伸べてくれた手を掴もうとすると、ある一人の女の子とかぶった。
「あの頃と同じやな」
「え……あっ」
かぶってた女の子は、中学生の頃のこの子だった。
中学生の頃あたしが音楽室の前で転んだとき、皆は笑ってたけどこの子だけ助けてくれた。
今のように“大丈夫?”って、優しく手を差し伸べてくれた。
それからちょくちょく話すようになったものの、イジメがひどく話すこともなくなっていった。