空夢
扉を開けると涼しい風があたしを包み込む。
あたしは屋上が好き。
誰もいないし、1人でゆっくり空を見上げることが出来る。
でも、今日は約束があるから急いでお弁当を食べる。
……松野空との約束が…。
あたしはお弁当を食べ終えると、一旦教室に戻って鞄にお弁当を入れた。
そして、駆け足で教室を出て、松野空が待つ中庭に走っていく。
中庭につくと、松野空はベンチに座り空を眺めている。
あたしはポケットから鏡を取り出し、自分の顔を映す。
そして、乱れた髪をちょいちょいっと直す。
……って…恋してる乙女かよ…あたし。
あたしは、そんなことをしていた自分に少し呆れ、つっこむ。
持っていた鏡をポケットに入れ、松野空の座るベンチまで行った。