空夢
正直、その名前は好きじゃない。
母親がつけた名前なんて……。
でも…松野空に出逢って、少し変わったかもしれない…。
あたし達は、色々と話をする。
といっても、松野空の話を聞いて相槌を打つ程度だけど…。
「…宮野って、なんで笑わんの?」
ドクンッ──…
あたしの胸がさっきより大きく脈打つ。
さすがに、この話題に相槌を打つことは出来ない。
あたしは、肩を震わせ俯いた。
…やだ…思い出したくないよ…。