空夢
あたしは自分を心配してくれる人がいると思うと嬉しかった。
その反面、怖いという感情もあった。
こんなに優しくされて、自分では何も出来なくなるんじゃないかって…。
今は優しくても、後から離れて行っちゃうんじゃないかって…。
あたしは小さく
「……ありがと」
とだけ言った。
それを言った後、休み時間終わりのチャイムが鳴った。
あたし達は2人で保健室から出、教室に向かった。
あたしは松野空に出逢って、少しずつ変わってきているのかもしれない……。
あたしは正直にそう思った。