空夢
第2章
優しさ
あの日から松野空と、よく話をするようになった。
他愛のない話を中庭でする。
その時間が、あたしはすきだった。
今日も中庭で話をする。
たぶん明日も明後日も明々後日も──…。
出来るなら毎日話をしたい。
今なら素直にそう思える。
あたしは屋上から3階に繋がる階段を降り、中庭に向かった。
松野空はまだいない。
あたしはベンチに座り、静かに口を開けて
「振り返らずに未来へ向かうよ──」
あたしの好きな歌を歌った。
てゆーか…あたしが作詞した歌?みたいな感じだけど。
元からある曲の歌詞を変えて歌っているだけ。
いつかは、自分で作詞作曲してみたいって思ってる。