空夢
ジリリリリ────
目覚ましが鳴り、布団から出る。
制服に着替え、リビングに降りても誰もいない。
あたしはパンを焼き、ココアを入れる。
このリビングに、あたし1人。
とゆーか、この家にあたし1人。
寂しいような…でも1人で楽なような…。
そんな妙な感情に襲われた。
朝ごはんを食べ終わり、あたしは鞄を持って玄関まで行く。
靴を履き、戸に手をかけ押した。
「…いってきます」
そう言っても “いってらっしゃい” そう言ってくれる人はいない。
あたしは静かに戸を閉めた。