空夢





松野空はあたしの後ろをニコニコしながら歩いている。



あたしは少し足を速めた。



それでも速さを合わせてついてくる。




「………もう! 何でついてくるの!?」




あたしは耐え切れなくなり、後ろを振り向き怒鳴った。



だが、松野空は表情を変えず言った。




「だって、学校同じやん」



「……」




たしかにそうだけど……。




「…なら先行ってよ…。 あたし、後ろついてこられるの嫌いだから…」



「わかった」




松野空はそう言った。



あたしはホッとした。










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