空夢
だが、その安心もつかの間。
松野空はあたしの隣に並んだ。
「……は!?」
…ちょっ…あたし、先行ってって言ったよね!?
なんで、隣に来るの…!?
「…ちょっと…」
「ん?」
「あたし…先行ってって言ったよね…?」
あたしの質問に前を向いたまま答える。
「うん」
「……」
“うん” …って。
“うん” じゃないよ “うん” じゃ…!
目立つから嫌なんだけど…。
コイツ…自分が結構モテてるって知ってるのか…?