空夢
「……ごめん」
…は?
……“ごめん”…?
あたしの辛さは…苦しみは…その程度の言葉で消されるの…?
そんなはずない!
「……っいい加減にして! あたしはもう、アンタとは関わりたくないの! もう電話してこないで!」
あたしは必死に叫んだ。
この言葉は松野空にも聞こえているだろう。
だが、今はそんな事は関係ない。
あたしは頭が真っ白になり、叫び続けた。
「…アンタは“ごめん”で終われるかもしれないけど…あたしの気持ちはどうなるの!? あたしの苦しみは…悲しみはどうなるの!? アンタに…あたしの気持ちなんてわからない!」
あたしはそう言うと、電話を切った。
興奮で体が震える。
「……っ…何なんなのよ…もう…」
あたしは涙が出た。