空夢
あたしたちは一先ずベンチに座った。
松野空は、泣くあたしの背中を優しくさすってくれる。
少し落ち着いてきた頃、松野空が話し出す。
「…なぁ…よかったら、宮野が苦しんでる理由…聞かせてくれん?」
「…………」
あたしは戸惑う。
たしかに、辛い…苦しい…。
だけど…話すことは、もっと辛い…。
「……どんな事でも…受け止めるから…。 俺の事…信じてくれん…?」
「……っ…」
松野空になら…。
あたしはそう思い、松野空を真っ直ぐ見る。
もう…辛くても…苦しくてもいい…。
松野空が受け止めてくれる…。
あたしは覚悟を決めた。