空夢
「あたし……松野のおかげで、ちょっと強なったかもしれん。だから、あたしが苦しみから解放される時を、松野に聞いててほしい」
久しぶりにつかった関西弁。
昔のことを思い出すのが嫌で、つかうのをやめていた。
あの時から関西弁が嫌いになった。
だけど、松野のおかげで、少し好きになたかもしれない。
『あ……うん、わかった。ちゃんと聞いとく』
「うん…」
そう言ってあたしは、ドアノブに手を掛け戸を開く。