空夢
……うっさいやつが転校してきた…。
……ん?
今、大阪って言った?
それに、関西弁…ってことは…。
うそでしょ!?
あたしは顔を上げて確かめる。
うわ…マジだ。
最悪……。
そしてもう一度机の上に顔を伏せた。
「じゃあ、松野は…そーだなー…宮野の横の席空いてるから、そこに座れ」
「はーい。……え!? 宮野!?」
向こうもあたしに気づいたみたいだ。
気づかなくていいっつーの…。
「なんだ? 何かあるのか?」
「いや…何もないっす」
転校生は焦った声で否定し、こっちに向かって歩き出した。