空夢
第4章
差し伸べた手
あの日から松野が機嫌が良い。
あたしがあんな事言ったからか……。
言うんじゃなかったと今更後悔する。
今だって横で鼻歌を歌いながら歩いてる。
なんか恥ずかしい……。
あたしは松野を放って、早足で教室に向かった。
「やめてぇ!」
その声と同時に、鞄が教室から飛んできて壁にぶつかる。
よく見ると、教室の周りにたくさん人が集まっている。
あたしのクラス…。
嫌な予感がした。
あたしは駆け足で鞄の元へいく。
そして鞄を右手で取り、教室に目を向ける。
「っ………」
思わず目を背けた。
見たくなかった。
見れなかった。