Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】




……っと、こうしている時間はありませんわ。


今日は月曜日。


わたくしがこういう状態であっても学校はありますもの。


仕方ありませんわね…………。



わたくしは、ふうっと大きなため息をついて自分の部屋へと向かい、制服に着替えます。



……ふふ。

今日も我ながら美しい姿に見惚(みと)れてしまいますわ。



緑色のブレザーに身を包んだわたくしは、さながら緑色の葉っぱを包ませた妖精そのものではないでしょうか。



カッターシャツの第三ボタンまで外しましょう。

胸元が見えるようにセッティングをして……。



スカートの丈も、もう少し上げてみましょうか。

わたくしの自慢の白く細い足がよく見えるように……。



これはもちろん、彼を誘惑するためのものですの。


彼っていうのはわたくしが好いた方、お隣に住む紺野 瀬名さまのことですわ。



瀬名さまは、8時5分きっちりの時間になるとチャイムを鳴らしてわたくしを迎えに来てくださるの。



その時間までに支度を終わらせなくてはいけません。

学校帰りももちろん一緒ですわ。


瀬名さまの学校とわたくしの学校からはさほど距離は離れていませんの。


徒歩でだいたい10分程度の距離です。




ですから、わたくしは瀬名さまのご好意を受け取っています。


何より、好意を抱く男性とふたりきりで登下校なんて……嬉しすぎて思わず顔がニヤけてしまいますわ。






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