Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】
「姫ちゃん?」
うつむき加減になったわたくしの顔……。
彼はそんなわたくしの顔を心配そうに覗きます。
ねぇ、どうすれば、あなたはわたくしのことを異性として認識してくださいますの?
わたくしは…………こんなにあなたが好きなのに…………。
「いいえ、なんでも……。
瀬名さま、参りましょう。
早く行かなければ学校に遅刻してしまいますわ」
わたくしは首を振ってにっこり笑います。
うまく……笑えているでしょうか……。
――――いえ、きっと笑顔ではありませんのね。
だって、わたくしの表情を見つめている彼の顔は悲しそうでしたもの。
わたくしは足を動かし、何ともいえない悲しそうな表情をしている瀬名さまを横切ります。
ああ、胸が痛いのですわ。
いったい何時になれば、彼はわたくしをひとりの女性としてみてくださるのでしょうか。
そして、わたくしはズキズキと痛む胸を押さえて学校へと参るのです。