Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】
∮***過保護? それとも・・・*
.+*過保護? それとも……*+.
時は放課後、わたくしと安藤 龍一(あんどう りゅういち)、そして彼の彼女であり、わたくしの友人でもあるマリちゃんは、がらんとした1年C組の教室におります。
「なんで俺がこんなこと……」
「ふん、それはわたくしの台詞ですわ」
「まあまあ、ふたりとも。
書き終われば帰れるから、ね」
「薄情もの~」
わたくしと安藤 龍一は、のん気な言葉をかけてくるマリちゃんのの隣で机にかじりつき、反省の文を書いております。
「だって……先生が来ちゃったんだもの。わたし、ちゃんと姫ちゃんと龍一くんに声かけたよ?
でも、聞いてなかったでしょう?」
……はいはい。
夢中で言い合っていたわたくしが悪うございました。
ううっ…………。
今日も瀬名(せな)さまと下校できると思っていましたのに……。
「ところで、姫(ひめ)ちゃんは今日どうするの?
瀬名さん……だっけ?
迎えに来てくれるの?」
わたくしがちょうど瀬名さまのことを考えていると、マリちゃんはまるでわたくしの思考を読み取ったかのようにおっしゃいました。
「いいえ、今日はわたくしひとりで帰りますと、先ほどメールいたしました」
「え?
それ……大丈夫なのかよ?」
安藤 龍一デリカシーのかけらもない奴だと思っていましたが、なるほど、マリちゃんが好きになるのはわかりますわね。
わたくしのことも彼は彼なりに心配してくれているようですわ。
ま、そうでなければわたくし、大切なマリちゃんを渡しはしませんけれど……。