Secret Story ♯アクアマリンreverse♯【特別編】
瀬名さまのお傍にいられなくなることが苦しい。
同情でお傍においてくださることが悲しい。
「だいじょうぶだよ。
だって姫ちゃん、とってもかわいいもん。
姫ちゃんを嫌う人いないよ」
今まで黙っていたマリちゃんがにっこり微笑まれます。
おかげで涙が溢れてしまいますわ。
「マリちゃん!!」
わたくしはひしっと彼女を腕の中に閉じ込めてあたたかい体温を感じました。
そうですわね。
わたくしは立派な淑女(しゅくじょ)ですわ。
こんな美しいわたくしを振る殿方はいらっしゃいませんわ。
だって、わたくしは美しいといわれる人魚の末裔なのですから!!
「ま、せいぜい振られないよう頑張るこったな」
むき~ぃ!!
「やってやりますわ!!
両想いになって安藤 龍一、あなたを『ぎゃふん』と言わせて見せますわ!!」
わたくしは胸の前に拳をつくって決意を示しました。
「ぎゃふん……って」
わたくしの隣では空ちゃんが呆れておられるようですが、そんなのは無視ですわ。
今に見ておられなさい、安藤 龍一。
瀬名さまとラブラブになって、あなたを見返してやりますのよ!!